2012年4月23日月曜日

非定型うつ病研究日誌: 不安につけ込まれやすい人たち(その2)


不安につけ込まれやすい人たち(その2)

アメリカの科学誌『カレント・バイオロジー(Current Biology)』に4月7日、リベラル派と保守派では脳の構造に違いがあるとする研究結果が発表されました。
以下は、『AFPBB News』からの引用です。
 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London、UCL)の研究チームは、健康で若い成人90人を対象に実験を行った。自分の政治的志向を1の「非常にリベラル」から5の「非常に保守的」まで5段階で評価してもらったあと、脳をスキャンした。

 その結果、リベラル派であるほど前帯状皮質の灰白質の容積が大きく、保守派であるほど右へんとう体の容積が大きい傾向があることがわかった。

 前帯状皮質は複雑性の理解に関連しており、不確実性や対立をチェックする機能を持つ。そのため、前帯状皮質が大きい人ほど不確実性や対立への認容性が高く、リベラルな物の見方を許容しやすくなると考えられるという。

 一方、へんとう体は恐怖心の処理に関連しており、これが大きい人ほど、反感や脅すような表情に敏感で、危機的状況に際してはリベラル派以上に攻撃 的に反応する傾向があるという。

扁桃体は、「不安」や「恐怖」に関わる脳の部位です。
扁桃体が大きい人は、隣国の軍事的脅威や国内の外国人に対して大きな不安と恐怖を感じ、保守的な主張をするようになってしまうのですね。
極端に保守的(というよりも右翼的)な主張をするネット右翼(ネトウヨ)も、扁桃体が大きいために一般人よりも大きな不安と恐怖を感じているということが考えられます。
要するにネトウヨは、不安をあおられることで容易に扇動(あるいは、洗脳)されてしまう人たちということができるわけですね。

以前、とあるネトウヨさんが、次のような地図を見つけたといって大騒ぎしていました。

これは、『あなたが斬らないで誰が斬るの!お姉さんも一緒に斬るからね!』というブログの「暴かれた支那の戦略 Free JAPAN!」という記事に掲載されている地図なのですが、ジャーナリストの櫻井よしこさんが「中国外務省から流出した"2050年の国家戦略"と題した地図がある」と言っていて、これがその地図の日本語翻訳版なんだそうです。
これを見ただけで、頭の不自由なネトウヨさんたちは、「やっぱり、中国が日本に攻めてくるんだ!」とあっさり扇動されてしまうのですね(汗)


"追悼の痛みのアセスメント·カード"

普通の人なら、こんなちゃっちい地図をすぐに信じたりしないで、出所が確かなものなのか確認しようとしますよね。
実際、この地図はもちろん中国外務省から流出したものでもなんでもなく、『チベットを弾圧する中国への支援を止めさせよう!』というサイトの「チベット侵略の象徴・パンダ」というページに掲載されているものです。
このページの記事で『チベットの地図ではピンとこないかもしれないので、日本の領土に置き換えてみよう。』ということで、チベットの現状を日本に置き換えて表現した地図がこの地図なんですよね。
それが、「中国外務省から流出した"2050年の国家戦略"と題した地図の日本語翻訳版」として出回っているというわけです。

この地図が中国外務省から流出したものではないことくらい、ネットを使える人ならすぐに知ることができると思います。
しかし頭の不自由なネトウヨさんたちは、自分たちの「中国が攻めてくる!」という思い込みを証明してくれるものなら、ウソでもデマでもすぐに飛びついてしまうのです。
これは、不安をあおることで他人を支配したい人にとっては、まさしく「カモがネギを背負って来る」ような状態です。
なにしろこの「カモ」は、程度の低いワナに引っかかってくれるだけでなく、次の「カモ」をワナのところまで連れて来てくれるという優れものなわけですから(笑)

もしネトウヨが脳の構造上の問題なのであれば、極端な政治思想にハマった「洗脳状態」から一生抜け出すことはできないのかもしれません。
しかし普通の人たちは、ネトウヨが「不安をあおることで他人を支配したい人たち」と「不安をあおられることで簡単に扇動されてしまう人たち」の集合体であるということを見抜くことが出来るはずです。

長引く景気低迷による雇用不安、少子高齢化の進行による将来不安、東日本大震災や福島第一原子力発電所事故による社会不安・・・。
私たちのまわりには今、さまざまな「不安」が漂っています。
そしてネット上には、ネット右翼(ネトウヨ)・ユダヤ陰謀論者・宗教右翼など、人々の「不安」を食い物にしようとする人たちがあふれています。
将来に対して不安を感じることは危機回避のための重要な機能ですが、その不安につけ込まれて「被害者」に、そしてさらに「加害者」になることの無いよう、私たちは気をつけていく必要があるのではないかと思います。

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"モデルと摂食障害は、 "

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記事の根拠(政治的志向は脳の生物学的構造に由来する)そのものに、その種の妄論に騙され続けて、あげくに「アパルトヘイト」を正当化してしまったわれわれ欧州人にとっては受け入れ難いものです。英国でどれだけ黒人が劣等であるかの「学術研究」が積み重ねられて、その「学術研究」の積み重ねの果てに、黒人永久奴隷化政策としてのアパルトヘイトがオックスフォードグループを中心に計画され、実行されてきたかの歴史でも検証してください。それだけネットには重要な情報がいくらでも公開されているのでしょう(大英図書館に行かないと読めませんがね)から、ADlabさんもネットで情報を集めてください。

それはともかく、チベット民族の苦難を「日本国家のためにだけ利用する」サイトの紹介はいかがなものか。

そ� �そも事実として、チベット民族とは、ことさら中国にだけいる民族ではありません。中国の弾圧に伴って難民として流出した先は、主にネパールですが、ネパールもブータンもチベット族が多い国です。ダラムサラ亡命チベット政府がインドにあるにしても。

少しくらいは勉強(せめてチベット語の読み書きとチベット仏教および哲学についての基本的知識)してから、中国の非難でも何でもすればよろしいが、しかし、何も知らずに「単に中国非難にチベット族を利用する」のは、チベット族自身がいちばん嫌う姿勢であり、中国を最も喜ばせることくらいはご理解ください。

>Nastassjaさん
「リベラル派と保守派では脳の構造に違いがある」という研究をアパルトヘイトに結びつけるのは、ちょっと無理があるのではないでしょうか。
別に、リベラル派と保守派のどちらの脳が優れているかという話ではないのですから・・・。
私自身はリベラル派ですが、リベラルも保守もどちらも大切だと考えています。
どちらか一方に偏るのが一番良くなくて、リベラル派が政権を取ったり、保守派が政権を奪い返したり、政権交代が行われることでバランスを取って国の舵取りが行われるのが一番良いと考えています。

今回、『チベットを弾圧する中国への支援を止めさせよう!』というサイトを紹介したのは、「中国外務省から流出した"2050年の国家戦略"と題した地図の日本語翻訳版」の出所がこのサイトであるからであって、チベット問題をアピールするためではありません。
しかし、チベット問題についての認識は、私とNastassjaさんでは大きく違っているようですねぇ・・・。


適切な体重減少

私は、1950年のチベット侵攻は「中国による侵略である」と認識しています。
チベット人が民族の独立を求めるのは当然の権利であり、少なくとも中国は、ダライ・ラマ14世の求める「高度な自治」に応じる必要があるのではないかと思っています。
日本は、中国によるチベット人に対する「文化的虐殺」とも言うべき状況に対して常に批判的であるべきであり、対中国戦略の一環としてチベット亡命政府を支援すべきであると考えます。

日本人がチベット問題を考える際に、どうして『チベット語の読み書きとチベット仏教および哲学についての基本的知識』が必要なのですか?
これは、他国における軍事的侵攻と民族自決について日本はどのような態度を取るかという純粋な日本国内の問題であり、そのような議論をする際に『チベット語の読み書き』が必要であるとは思えません。

面倒くさいので、URL略です。

私はチベット民族が中国に虐げられていないとは言っていません。
Twitterだけではなく、Facebookでも、亡命チベット民族(なぜか日本には来ませんが)がチベット語で発言しています。それを読めなくて(読んで理解するためには、チベット仏教と哲学との基礎知識は不可欠でしょう。違いますか)、どうするのですか。

中国にとっては「日帝がわれわれのチベット自治区領有権を非難している」と言えば、日帝という部分で中国国民にも容認されてしまうのです。ですから、利用のための利用はやめてくれと申し上げています。

日本でも少数民族の立場からチベット族やウイグル族支援をしている団体はありますが、お金がなくて、苦しんでいます。彼らを支援することなく、単に中国非難のためにチベット族を利用するのは犯罪です。民主党が何をしたのですか。

アパルトヘイトの研究につい� ��はご自分でどうぞ。最初はとくに優劣を決める研究ではありませんでした。「違いを研究する」のがスタートです。以後は、ご自分で。


>Nastassjaさん
繰り返しになりますが、今回『チベットを弾圧する中国への支援を止めさせよう!』というサイトを紹介したのは、チベット問題をアピールするためではありません。
記事の趣旨は、チベットの現状を日本に置き換えて表現した地図を「中国外務省から流出した"2050年の国家戦略"と題した地図の日本語翻訳版」と偽って紹介しているブログがあり、そのようなデマにあっさり扇動されてしまうネトウヨがいるということです。
今回の記事はチベット問題についてではないのに、「チベット語を勉強しろ」などまったく意味不明としか言いようがありません。

日本人がチベット問題について考える際に、「チベット語の読み書きが必要」というのはまったく理解に苦しみます。
チベット語の読み書きができる日本人などほとんどいないでしょうから、これは「日本人はチベット問題に無関心であれ」と言っているのと変わりがありません。
日本人におけるチベット問題とは、「他国で他民族に対する軍事侵攻が行われ、民族自決の原則が脅かされている。それに対して、日本はどう対処するか?」という日本国内の問題です。
これを議論する際に必要な言語は、チベット語ではなく日本語です。

>>中国にとっては「日帝がわれわれのチベット自治区領有権を非難している」と言えば、日帝という部分で中国国民にも容認されてしまうのです。ですから、利用のための利用はやめてくれと申し上げています。

仮にそうだとしても、「だから、日本はチベット問題について非難するな」というのは、おかしな話です。
中国国内でどのように受け止められるかに関係なく、日本は中国に対して言うべきことは言っていくべきだと思います。
そもそも、日本人がチベット問題について中国を非難することが、なぜチベット族を利用していることになるのでしょうか?
チベット族や亡命チベット政府は日本の支援を欲しているはずであり、また、彼らを戦略的に支援することは日本の国益にも適うと考えます。

国際社会が一致してチベット問題を非難することは、中国によるチベット族弾圧に対して、一定の抑止効果を持つと考えられます。
一番良くないのが「無関心」であり、日本人が「正義とは?」「国益とは?」「民族自決とは?」などといった観点でチベット問題について考えることは、非常に有意義なことだと思います。



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