■研究者は心臓に良いオメガ3脂肪酸を生産するブタを作成した
Researchers create pigs that produce heart-healthy omega-3 fatty acids
26-Mar-2006
オメガ3脂肪酸を生産する世界初のトランスジェニッククローンブタを作成した。
Nature Biotechnologyに発表される。
fat-1遺伝子をブタ初代培養胎仔繊維芽細胞に導入し、この細胞から核移植クローニングによりトランスジェニックブタを作成した。fat-1遺伝子はオメガ6脂肪酸をオメガ3脂肪酸に変換する。このブタが食用として供給されれば、オメガ3脂肪酸を摂取するのに水銀濃度の高いマグロなどを食べる必要が少なくなる。
CDC 米国
MMWR
■金属の飾りを飲み込んで子どもが死亡 ミネソタ2006
Death of a Child After Ingestion of a Metallic Charm --- Minnesota, 2006 March 23, 2006 / 55(Dispatch);1-2 http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm55d323a1.htm
Reebok International Ltd社の靴のおまけのブレスレットについていたハート型の飾りを飲み込んで鉛脳症で死亡した子どもの症例を紹介する。
2006年2月中旬に、小頭症と発達遅延の病歴のある4才の少年がミネアポリスの小児救急外来に運び込まれた。主訴は嘔吐で、ウイルス性腸炎が疑われ、制吐剤オンダセトロンを処方され、両親には水分補給をするようにと依頼して帰宅した。2日後にまた難治性嘔吐と食欲不振、お腹が痛いこと、無力状態で救急外来を訪れた。脱水症状があり血中ナトリウム濃度は正常で尿素窒素濃度が上昇していた。静脈点滴を行い入院した。
次の日(入院から10時間後)少年は興奮し、放射線科に移送する途中で呼吸困難になった。蘇生術を施し人工呼吸機を装着した。頭部と胸部のCTスキャンと腹部X線撮影を行った。CTスキャンでは散在性の大脳浮腫が観察され、緊急脳室吻合術と減圧開頭術が行われた。
腹部レントゲン写真でハート型の物体が観察され、胃にあることがわかったため重金属濃度の測定を行った。
次の日、血中鉛濃度が180 g/dLであること、脳への血流がないこと、臨床的に脳死状態であることがわかった。入院4日目に生命維持装置から外され死亡した。解剖の結果、Reebokの刻印のあるハート型の飾りが胃から摘出された。母親はそれがその子が遊びに行った別の子どもの靴についていたものであると言った。母親は子どもがそれを飲み込んだことを気付いておらず、子どもも食べ物以外を飲み込んだ前歴はなかった。
子どもの死亡した翌日、ミネアポリス規制機関が住居の検査を行い、鉛濃度は高くないことを確認した。EPAプロトコール3050による酸消化実験でこの飾りの鉛含量は99.1%であることがわかった。ミネアポリスの店やインターネットで購入したReebokの靴のおまけの鉛濃度は67.0%であった。
camrynマンハイムの減量
アトランタとジョージアでCDCのスタッフが同じブランドの靴を購入しおまけのアクセサリーを調べたところ鉛含量は0.004-0.044%であった。製品により鉛濃度に違いがあるのはこれまでの安価なジュエリーで報告されている事例でも同様である。
(この子の胃の噴門は通過したが幽門は通過しない大きさだったというのが不運だったらしい、以下関連情報)
消費者製品安全委員会 CPSC
Reebokが子どもが鉛中毒で死亡したことと関連するブレスレットをリコール
Reebok Recalls Bracelet Linked to Child's Lead Poisoning Death
March 23, 2006
Reebok International Ltd.社のブレスレット、33ドルから50ドルで販売された靴のおまけについていたもの。中国製。
ミネアポリスで4才の子どもがブレスレットの一部を飲み込んで鉛中毒で死亡したとの報告があった。
Dollar Tree Stores Inc.社がおもちゃのジュエリーを子どもに対する鉛中毒の危険のためリコール
Dollar Tree Stores Inc. Toy Jewelry Recalled for Lead Poisoning Hazard to Children
March 23, 2006
ネックレスや指輪、1ドルで販売されていたもの、写真有り
鉛中毒の危険のため金属ブレスレットリコール
Lead Poisoning Hazard Prompts Recall of Metal Charm Bracelets
March 23, 2006
Oriental Trading社の販売した中国製ブレスレット(写真有り、0.5ドル)
Reebokのプレスリリース
製品のリコールに関する社長&CEO であるPAUL HARRINGTONの声明
STATEMENT FROM PRESIDENT & CEO PAUL HARRINGTON REGARDING PRODUCT RECALL
03.23.06
Reebokファミリーは鉛中毒で死亡し、Reebokの名前の入った宝飾品を飲み込んでいたと報告された4才の子どもの悲劇的死を悼む。Reebokブランドの社長&CEOであり3人の子どもの父親でもある私はこの悲劇を公開する責任があることを認識し、リコールを開始する。今回の事件が何故起こってどうすれば再発が防げるのか、関係機関と協力して究明に努力する。
ミネソタ保健省
鉛中毒による子どもの死亡で子ども用ジュエリーのリコールや警告
Child's death from lead poisoning prompts recall and warning about children 's jewelry
March 23, 2006
鉛暴露のほとんどは塗料由来であるが、鉛を含む小さな物体は重大な疾患をもたらす。
鉛含量の高い金属ジュエリーの一部を飲み込んで鉛による脳腫大により死亡した子どもの症例が発表された。飲み込んだのはブレスレットについているハート型の飾りで、リーボックのアスレチックシューズの販売促進用おまけのブレスレットについていたものである。
子どもが飲み込んだものを分析したところ99%鉛であった。一方現地保健当局が購入した同じブランドの靴についていた似たような飾りは68%鉛であった。CSPCによるジュエリーの鉛含量安全域値は0.06% (600ppm)である。
docters減量クリニック
CDCとミネソタ保健省は、小さな子どもが小さな物、特に金属を口に入れないよう注意するよう親や保育者に警告している。この死亡事故によりリーボックや他の会社がリコールを行っている。
FDA 米国
企業向けガイド
■直接食品添加物申請の化学及び技術的データ提出案内
Recommendations for Submission of Chemical and Technological Data for Direct Food Additive Petitions
March 24, 2006
申請に必要なデータの解説など
■JECFA 66
要約と結論
JOINT FAO/WHO EXPERT COMMITTEE ON FOOD ADDITIVES Sixty-sixth meeting (Residues of veterinary drugs) Rome, 22 - 28 February 2006 http://www.who.int/ipcs/food/jecfa/summaries/summary66.pdf
(同じもの、WHOとFAOと両方から出てる)
以下の動物用医薬品についてのMRLが設定されている
コリスチンColistin ADI 0 7 μg/kg body weight,
エリスロマイシンErythromycin ADI 0 0.7 μg/kg body weight,
フルメキンFlumequine ADI 0 30 μg/kg body weight
酢酸メレンゲステロールMelengestrol acetate ADI 0-0.03 μg/kg body weight
塩酸ラクトパミンRactopamine hydrochloride ADI 0 1 μg/kg body weight
トリクロルホンTrichlorfon (Metrifonate) (殺虫剤) ADI 0 2 μg/kg body weight
トリクラベンダゾールTriclabendazole (駆虫剤) ADI 0 30 μg/kg body weight
他に重要なところ一部抜粋
ADIとMRLの導出について誤解があることから議論が行われている。
ADIはリスクアセスメントの最初の二つのステップ、ハザード同定とハザードキャラクタリゼーション(性質決定)、のアウトプットである。従ってこの値を超えなければ消費者へのリスクはほとんど無い、と考えられる健康に基づくガイダンス値である。
ADIの利用方法は多数有り、MRLを導出する助けになるというのはその利用方法の一つに過ぎない。MRLとADIは、リスクアセスメントにおいて異なる目的を持つ別々のアウトプットである。
ADIは毒性学的データから安全係数を用いて導かれるものである。MRLはADIから直接導出されるものではなく、農薬や動物用医薬品の使用条件やその使用による残留の程度、実際に使用できる分析法や推定される暴露量なども考慮した値である。最初にMRLは消費者保護に充分かどうかをもとに導かれ、その値が上述の他の因子を考慮して適正化される。消費者保護のためにJECFAは歴史的にはMRLの設定に保護的仮定(肉300g、肝臓100g、腎臓と脂肪50g、ミルク1.5L、卵100g)を用いてきた。それ以前には理論的最大一日摂取量を使用していた。今回この方法を改め、生涯暴露量をより良く反映させる推定一日摂取量(EDI)を使うことにした。
ADIとMRLについて、以下の報告書への回答がある。
次回以降ARfDの必要な化合物についての検討が行われること、残留動物用医薬品の定義を変更すること、ミルクの脂肪と全乳とにそれぞれMRLを設定すること、JMPRとの協調をすすめることなど
DBAが優先疼痛管理
また動物用医薬品評価のためのツールとしてエクセルワークブックを基本としたソフトの採用を決めている。ツールは以下から説明文や例も含めてダウンロードできる。
FAO/RIVM/WHO workshop held in Bilthoven, the Netherlands, 7 - 11 November 2005
リスクアセスメントの基本原則と方法に関するワークショップ最終報告書 農薬と動物用医薬品のMRL
Final report from 2005 workshop on update of principles and methods of risk assessment - MRLs for Pesticides and Veterinary Drugs ftp://ftp.fao.org/ag/agn/jecfa/bilthoven_2005.pdf
現行のJECFAとJMPRによるMRL設定上の違い(JECFAは主に毒性学的データからMRLを設定しているのに対し、JMPRは適正農業規範GAPを念頭に有効濃度で使用すればどれだけ残留するかの試験データを主に使用している)などを精査し、いくつかの提言をしている。
DEFRA 英国
■都市のゴミ管理統計情報
Municipal waste management statistics 2004/05
24 March 2006
イングランドにおける2004/05年のゴミの量は2970万トンで、2003/04の2910万トンから2.1%増加している。
リサイクル又はコンポストに回された割合は同19.0%から23.5%に増加し、埋め立てされた量は2090万トンから1990万トンに減少している。
家庭ゴミが都市ゴミの86%を占め、年間に1人あたり513kgのゴミを出している計算になる。家庭ゴミのリサイクル率も17.8から22.5%と増加している。
詳細情報へのリンク有り。
プレスリリース
New figures show less waste being sent to landfill
24 March 2006
香港政府ニュース
■より多くの食品レビュー中
More food reviews underway
March 25, 2006
香港食物環境衛生署の相談役は果物や野菜の食物繊維とビタミンC含量に関する1年間の研究を開始したと述べた。
最近のお粥や米や麺類料理の栄養価に関する研究は人々の適切な食品選択の助けになるであろう。一部の料理には塩分や脂肪が多すぎ、カルシウムや食物繊維が足りない。
フィンランド食品局
■痩身用錠剤Trimbiaは偽物と判明
Slimming pill Trimbia turned out to be fake
23.03.2006
この春痩身用錠剤Trimbiaについて消費者からの相談が何件かあり、食品局はこの製品の成分分析を依頼した。その結果痩身作用のある成分は入っていないことがわかった。
Trimbiaは「食事を減らしたり運動を増やしたりすることなく1錠飲むと2kg痩せる」といった大げさな強調表示で販売されている。販売業者はデンマークのPharmapost社であり、製品は郵送で直接消費者に届けられる。
業者が海外にあるため、フィンランド食品局には販売を禁止する強力な権限がない。
さらにこの製品も会社も何度も名前を変えている。フィンランド食品局はデンマーク食品管理当局とこの問題について連絡を取っており、対応策を協議している。
分析結果からはこの製品は37%ベーキングパウダー(炭酸ナトリウム)、35%ソルビトール(甘味料)、6%クエン酸(酸調節剤)、2%ケイ酸(抗凝固剤)で、80%は生理活性のないよく使われている物質であった。残り20%は包装に記述してあるレモン・メロン・ビターオレンジ・甘草・ブンタン・ガルシニアなどであった。
Trimbiaが宣伝しているような新しい物質は検出されず、質量分析の結果からもtrimbia分子に相当する未知の化合物は見つからなかった。従ってtrimbiaは詐欺商品でこの製品は痩身作用はない。
あまりにも素晴らい宣伝文句の製品は疑うべきである。
(この製品はネット上に宣伝スパムを大量にばらまいてるようだ)
■食品以外の一般消費材に関する警報システム
Weekly overview report of RAPEX notifications - Week 11, 2006 http://europa.eu.int/comm/dgs/health_consumer/dyna/rapex/create_rapex.cfm?rx_id=70
フィリップスPHILIPSの調理用ハンドミキサーHR 1570 及びHR 1571が、重大な傷害の危険性有りとして回収(アタッチメントの泡立て器部分を交換しているときにターボボタンに間違って触るとメインスイッチがオフでも動作するので危険)
(RAPEXは漏電と誤飲と乗り物関係が多いので、こういうのは珍しい)
CFIA カナダ
■Nature Reviews Cancer
March 2006 Vol 6 No 3
2006年連載中のガンの微小環境Tumour Microenvironment関連記事に注目
これまで遺伝子関連の仕事が多かったガンの分野で、遺伝子変異だけでは説明できない事柄も多くわかってきてガン細胞の周囲の細胞や環境への関心が再び高まりつつある。
1975年にBeatrice Mintzらが悪性奇形種の細胞から生きたキメラマウスを作成し、腫瘍細胞でも正常な環境では正常に機能しうることが判明した。その後1982年にBissellらが細胞外マトリクスとその遺伝子発現誘導機能について報告し、注目を集めた。
血管新生や炎症など、これまで別々の分野で調べられている現象が、ガンの微小環境という枠組みの中で理解されることでガンの理解が深まりつつある。
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